転職エージェントと転職。パソナキャリアにインタビュー

転職エージェントと転職~募集が減らない「できるミドル層」とは?

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できるミドル層の転職

転職相談.jp編集長×パソナキャリアインタビュー企画

不況によって求人が激減した転職業界。景気の先行きが不透明な今、転職を考えつつもなかなか踏み切れない、という人も多いでしょう。
ところが、転職市場をじっくり見ていくと、すべての年代・職種で求人が落ち込んでいるわけではなく、むしろ企業から積極的に求められる層があることがわかってきました。その中心にいるのが、「できるミドル層」と呼ばれる中間層。
そこで「転職相談.jp」では、転職エージェント 満足度ランキングで一位を獲得し、利用者からの評価も高い「パソナキャリア」さんを訪問し、現在の転職市場の動向、転職の心得や転職エージェントの上手な活用法をうかがいました。転職を考えている方は必見です!

PASONA CAREER 東山斉武さん
人材紹介事業部門 キャリアセンターグループマネージャー

予備校業界を経て2005年にパソナキャリアへ入社。
以降、キャリアコンサルタントとして様々な業種・職種の登録者へのコンサルティング業務に従事。リクルーティングアドバイザーとして採用企業側を担当した経験も。
丁寧にヒアリングするコンサルティングは高い評価を受けている。

PASONA CAREER 亀山輝明さん
人材紹介事業部門 マーケティンググループ

機械メーカーを経て2007年にパソナキャリアへ入社。
マーケティンググループにて転職希望者の集客業務に従事。
採用企業側のニーズと登録者のニーズが一致した『正しい転職』の実現に向け、集客を中心にビジネスの最適化のための取り組みを行っている。

Question

まずは今の転職市場の状況を教えていただけますか?

Answer

リーマンショック直後と比べると、現在は徐々にですが求人が戻っています。特にメーカー系の求人は戻りが早いです。ただ、リーマンショック以前と以後では、企業の求める人材が変わってきていると感じます。一時期募集が多かった第二新卒は、求人の戻りが芳しくありません。反対に、企業にとって即戦力となる30代前後のミドル層の求人回復は顕著ですね。


落ち着いた照明の部屋でゆっくり相談できる


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Question

ここでいうミドル層とは、どのような人々なのでしょう?

Answer

具体的に言うと、分野を問わず専門性の高い人材、つまり「できるミドル層」と言い換えることができるかと思います。例えば、会計であればIFRS(*1)、業務管理であればJ-SOX(*2)、IT系であればSAP(*3)といったように様々な分野のスペシャリストへの需要は非常に高いものがあります。

*1 IFRS…International Financial Reporting Standards(国際財務報告基準)。国際会計基準審議会(IASB)によって設定される国際的な会計基準。日本においてもグローバル視点による経営最適化の目的から採用する国内企業が増えており、強制適用が検討されている。
*2 J-SOX…別名・日本版SOX法。アメリカ合衆国連邦法を受けて制定された企業の内部統制に関する諸規定。企業の目的を効率的かつ適正に達成するために適用されるルールや業務プロセスの整備・運用を専門とする。
*3 SAP…独大手ソフトウェア会社・SAPが開発したERPソフトウェア。経営資源有効活用の観点から、企業全体を統合的に管理し、経営効率化を図ること(=ERP)を目的としており、企業の製造・物流・販売・調達・人事・財務会計などの各データ管理を行なう。代表的なものは「SAP R/3」。

Question

できるミドル層の求人が増えている背景をお伺いできますか?

Answer

企業が今まで以上に即戦力となる人材を求めているということがもっとも大きいでしょう。景気は、最悪の状態を脱しつつあるとはいえ、良くなったとは到底言えない状態ですから、企業はピンポイントで欲しい人材を採用しています。そのターゲットとなるのが、「専門性の高い」「即戦力となる」「できるミドル層」ということかと思います。 ただし、どの企業もミドル層を求めているわけではなく、営業職等では20代の若い人材を積極的に採りたいという要望が強く見られます。弊社への登録が多いのは、20代の中盤から後半の方で、転職者が多いのもやはりこの層です。ただ、転職市場を俯瞰した場合に、もっともニーズがあり、転職成功率が高いのは「できるミドル層」ということになるかと思います。


パソナキャリアの東山さん(左)と亀山さん(右)。インタビューでは熱く語ってくれました

Question

ありがとうございます。それでは次に、転職活動を行う上での注意点と、転職の際、転職エージェントを活用するメリットについてもおうかがいできますか?

Answer

まず、転職活動を行う上での注意点ですが、転職はその人自身の能力も大切ですが、タイミングや運も大きく影響するということを、ぜひ知っておいていただきたいと思います。
たとえば、前述の通り、高い専門性を持っている方は転職市場では有利です。しかし、分野が専門的になると、求人そのものは景気の動向に左右されることなく存在しますが、求人の数自体は多くないため、転職活動が長期化する可能性があります。その場合は、あきらめずに粘り強く取り組んでいただきたいと思います。気持ちが折れなければ、必ず良い転職ができるはずです。

次に、転職の際に転職エージェントを活用するメリットですが、大きく2つのポイントがあるかと思います。
一つ目は、人材会社の抱える圧倒的な情報量です。たとえば、求人の情報一つを取っても、企業サイト上で募集があっても実際にはもう終わってしまっているケースや、逆にサイトに求人を出していない企業が転職エージェントに求人をかけているケースもあります。また、その会社の社風や求める人材の詳細なども、転職エージェントには集まります。
これらの情報を入手しているのといないのとでは、転職活動におけるスタートラインがまったく違います。転職活動は情報戦ですから、良い求人情報をいち早くつかみ、アクションを起こすために、情報が集まる転職エージェントを活用したほうが有利になるのは間違いありません。

また、転職エージェントを活用すると、自分のキャリアの棚卸しができます。これも、転職エージェントを活用する大きなメリットと言えるでしょう。
パソナキャリアでは、キャリアコンサルタントが登録者の視点に立ち、5年後・10年後のキャリアビジョンも踏まえたキャリアの棚卸しのお手伝いをさせていただきます。その結果、転職したほうが良ければお仕事を紹介させていただきますし、現職に残ったほうが良い場合は、そのようにお伝えしています。
自分のキャリアの棚卸しを自分ひとりで客観的に行なうのは困難ですから、今後のキャリアパスに悩んだ時は、ぜひ一度パソナキャリアのコンサルタントにご相談いただければと思います。転職すべきか、留まるべきかも含めて、一緒に考え、サポートさせていただきます。

Question

パソナキャリアさんにはミドル層を含め、たくさんの転職希望者が登録されていると思いますが、転職活動が上手くいく人、いかない人の傾向というのはありますか?


会社全体でエコに配慮。受付ではお洒落なトマト栽培も


緑多い部屋で、リラックスして話せる

Answer

転職活動が上手くいく人には、前向きであることや、行動が早いこと、そして、1つ駄目だからといって落ち込まず、自己分析して次にチャレンジできること、といった傾向があるように思います。また、面接の準備をしっかりされる方も多いです。面接は、ありのままの自分を出す場ではありません。自分という商材を会社に売り込むための場所です。転職活動が上手くいく方は、そのことをしっかり認識されているので、自分という商材を売り込むための準備を怠らないのだと思います。

反対に、転職活動が上手くいかない方の傾向ですが、動きが遅い方や1つの失敗で考え込んでしまう方、自分を過小評価して客観的な判断ができない方が多いように思います。また、品定めされているという思いが強く、面接を苦手とされている方も多いように思います。そういう方には、転職面接は企業側が選ぶ場であると同時に、転職希望者も企業を選ぶ場であること、お互いの関係はフラットであることをお伝えするようにしています。また、面接官と思うから緊張してしまうので、相手を自分のお客さんや上司だと思い、自分自身を売り込むつもりで面接に臨むのも有効だと思います。

昨今の求人事情を見てみると、良い案件には1人の枠に100人以上の応募があることも珍しくありません。選考で落ちたからといって気にする必要はまったくないのです。万一落ちたとしても、その事実をどう捉え、進んでいけるかが転職が上手くいく人、上手くいかない人の差になっているように思います。自分に自信を持って、前向きに頑張っていただくことが転職活動でも大切です。

Question

それでは最後に今転職活動を考えている方にアドバイスをお願いします。

Answer

転職をするしないにかかわらず、まずはお気軽にご相談いただければと思います。転職エージェントは、求人の紹介はもちろん、5年後、10年後のキャリアをどのように設計していくのかを、一緒に考える場としても役立つはずです。
余談ですが、転職エージェントの人間の多くは、転職の際に、転職エージェントに登録します。つまり、転職のプロでも転職の際、転職エージェントを活用しているのです。

転職を考えている方・転職活動中の方はもちろん、自分のキャリアビジョンを決めかねている方も、コンサルタントに話をすることで、頭が整理され、「よし頑張ろう!」と思っていただければ幸いです。