退職前の心得
目次
- 退職前の心得① 転職先は決めておこう
- 退職前の心得② 退職の有給を申請するには
- 退職前の心得③ クレジットカードを作っておこう
- 退職前の心得④ 住宅購入はタイミングを見て
退職前の心得① 転職先は決めておこう 退職前の心得
転職相談で転職を検討されている方からよく寄せられる悩みの一つに、いつ転職活動をするべきか(仕事を辞める前か、辞めたあとか)というタイミングの問題があります。
転職に不慣れな場合ほどこのタイミングに悩みがちで、「働きながらでは求人のチェックや面接準備をする時間がとれない」、「今働いている会社に不義理をしているようで悪い」と、いったん仕事を辞めてから、じっくり転職先を探すことが多いようです。
しかし、会社の都合でやめさせられた場合等を除いて、次の転職先は退職する前に見つけておくのが正解です。
この不況で企業の求人数は減少傾向にあり、転職市場は決して順風満帆とは言えません。すぐに次の就職先が確保できれば問題はありませんが、万一、転職活動が長引くと、その間の収入は大きく減るうえ、休職期間の長さが再就職に不利に働く場合もあります。
辞める前に次の仕事を見つけておくこと、明日の収入源を確保しておくことは、今の時代の転職の必須条件とも言えるでしょう。
転職サポートを上手に使おう
退職の前に次の仕事を見つけておくほうがいいとは言え、働きながらの転職活動は時間が取りづらいことも事実です。そこで上手く活用したいのが、転職サイトや転職エージェントといった転職関連サービスです。
転職サイトでは、職種や勤務地ごとの求人情報を検索し、サイト経由で企業への求人応募や職務経歴書の提出を行なうことができます。また、自身の経歴を公開して企業からのスカウトを待ったり、転職に関する疑問をメールで質問することもできます。
転職エージェントでは、転職者に担当のキャリアコンサルタント(キャリアアドバイザー)がつき、転職者の希望を聞いたうえで、求人案件の紹介や面接セッティングなどのサポートを行ないます。今後のキャリアプランについて、直接、プロのアドバイスをもらえる点は、転職者にとって嬉しいサービスでしょう。
このような転職関連サービスには、企業の求人情報はもちろん、各業界の最新の動向や、人事担当者が面接でチェックしているポイントなど、転職に関するあらゆる情報が集まっています。転職に特化したこれらのサービスを使いこなして転職活動の効率アップを図りましょう。
退職前の転職活動に役立てたい転職サイト
常時5,000件以上の求人数を誇るリクルート運営の転職サイト。大企業からベンチャーまで、企業の形態や業種、勤務地ともバラエティに富む。求職者が自身の履歴書を公開して企業からのスカウトを待つスカウトサービスにも実績があり、登録者数100万人以上、企業オファー200万通以上は数ある転職サイトの中でもトップクラス
非公開求人を多く扱うパーソルキャリア運営の転職サイト。取り扱う求人は、公開、非公開求人合算すると約10万件。また、スカウトサービスにも力を入れており、非公開求人もスカウトの対象としているため、他の転職サイトにはない企業からオファーを受けられる場合も
転職情報誌typeが運営する転職サイト。求人数は1000件程度と少ないが、年収アップが狙える大企業の案件が多い。また無料で利用できる年収判断テストを実施しており、5分程度で自分の仕事に対する適正年収を知ることができるので、上手く活用すると良いだろう。
退職前の転職活動に役立てたい転職エージェント
17,000件以上の求人を扱う派遣会社パソナグループ運営の転職エージェント。派遣業界で培ったコネクションを通じて派遣社員から正社員への転職に強みを見せる。とりわけ女性を対象とした案件の豊富さに定評があり、求人企業もIT関連からメディカル・バイオ・医療など幅広い
8万件以上の求人案件と、累計41万1,000名以上の仲介実績(2017年3月期)を持つ業界トップの転職エージェント。リクルートグループの持つ豊富なコネクション・業界情報が魅力。キャリアコンサルタントの質や拠点数の多さにも定評があり、転職経験者・未経験者ともに活用したい会社の一つ
企業との太いパイプラインと業種・職種単位で区分けされた専任コンサルタントのサービスに定評がある転職エージェント。女性専用の求人案件を取り扱う人材紹介サービス「女性の転職に+Agent」も運営。拠点が東京・大阪の2箇所のみなのは残念だが、転職サイト「マイナビ転職」との連携はよい
退職前の心得② 退職の有給を申請するには 退職前の心得
退職の際、残っている有給をどうするかも悩みの多い問題です。
退職時に有給休暇を消化する場合、一般的には、「退職届」に記載した退職の日付から、残っている有給を逆算して申請します。たとえば、有給が20日間残っており、3月末を退職日にしているようであれば、3月11日までに引き継ぎをすませ、残りの20日間を有給消化にあてたい旨を会社側に伝えます。
しかし、実際には、仕事の引き継ぎや転職先の入社日等の事情で、充分に有給を消化できず退職するケースがほとんどです。特に退職までの日数が少ないほど、有給を一括で消化することは難しくなるでしょう。また、会社のほうが、社内の慣例などを理由に有給取得を拒否するケースも見られます。
有給休暇は法律によって労働者に認められた権利であり、本来は、できる限り消化して退職したほうが望ましいと言えます。退職時の有給は、特例として会社側による買い上げも認められているため、時間的な余裕がない場合は、こうした提案を行なってみるのも一つの方法でしょう。
もしも、有給消化について、会社側と意見の折り合いがつかないようであれば、最寄りの労働基準監督署に連絡し、間に入ってもらう方法もあります。
なお、そこまで会社と揉めたくない場合は、転職活動の最中から少しずつ有給を消化していくようにすると良いでしょう。
たとえば、転職エージェントへ登録に出かけたり、企業の面接を受ける日などを、率先して有給に当てていけば、転職活動の時間を作り、さらには有給を消化することもできるため一石二鳥と言えます。
自分に与えられた権利を放棄することなく、かつ、円満な退職をするためにも、転職はある程度、時間的な余裕を持って計画的に進めていくことが大切です。
退職前の心得③ クレジットカードを作っておこう 退職前の心得
一見、転職とは無関係のように見えますが、クレジットカードの入会は、退職前にやっておきたいことの一つです。
退職後や転職直後、休職期間中など、収入が不安定な時期はクレジットカードの審査が通りにくくなります。
そこで転職を思い立ったときには、転職活動と平行してクレジットカードを作っておくと良いでしょう。
クレジットカードを作るには、申込みから1~2週間ほどしてかかってくるカード会社からの電話を自分自身もしくは社内の誰かに受けてもらい、その会社で働いていることを証明する必要があります。
ところが、カードを申込むのが退職前ギリギリになると、社内に退職の意思を示していることが多いため、電話の際にその情報がカード会社に伝わり、カード作成が不可能になる可能性があります。
この場合、目当てのクレジットカードを作れないばかりか、信用情報を偽ったとみなされて今後一切、そのカード会社のクレジットカードを作れないことにもなりかねません。
クレジットカードは、大きな出費の場面で役に立つのはもちろん、利用ごとにポイントが貯まり、貯めたポイントを商品交換やキャッシュバックに使えるお得なツールです。
発行にあたってはカード会社の審査が行なわれるため、近年では個人の信用性やステイタス性を示す意味でも、その存在価値は高まっていると言えるでしょう。
転職後も、しばらくは審査が通りにくいことを考えると、これから必要になりそうなカードは、退職前の早い段階で作っておくのがおすすめです。
社会人に人気のクレジットカード
2009年10月から発行を開始した新しいクレジットカード。マイル還元率の高さに加え、実質無期限でANAマイル(通常3年)を貯められることから申込みが殺到、現在入手が困難なカードになっている。 充実したカード入会キャンペーンも大きな魅力
年会費 | 7,700円 |
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ポイント | 100円につき1ANA・アメリカン・エキスプレス・メンバーシップ・リワードポイント |
特典 |
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世界で初めて発行されたクレジットカード。国内・海外旅行保険は最高1億円、ショッピングガード500万円。カードの利用限度額に上限なし等、他のカードにはないサービスを提供
年会費 | 15,750円 |
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ポイント | 1万円利用につき1クラブポイント |
特典 |
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クレジットカードの賢い選び方は?
現在、クレジットカードは非常に多くの種類が発行されています。受けられるサービスやポイントのシステム、年会費等も、それぞれのカードによってまちまちです。
社会人に人気が高いのは、ポイント還元率の良いカードや割引を受けられるカード、ステイタス性のあるカードなど。
たとえば、ANAとアメリカン・エキスプレスが提携し、発行するANA・アメリカン・エキスプレスカードは、100円につき1ポイント(1マイル相当)付与。同伴者1名まで無料の空港ラウンジサービスが付帯する等、高いポイント還元率とステイタスを両立。マイルを貯めているユーザーから高い人気を誇ります。
また、世界初のクレジットカードとして有名なダイナースクラブカードは、充実した付帯サービスと保障を提供。審査基準が厳しいため高いステイタスを持つカードとして人気があります。
クレジットカードを作る際は、使用の頻度や使用する場面、欲しいサービス等を考えたうえで、自分にあったものを選びましょう。
退職前の心得④ 住宅購入はタイミングを見て 退職前の心得
将来、住宅の購入を考えている方や、今現在、持ち家でローンを組んでいる方、あるいは住宅ローンの借り換えを検討している方は、転職と住宅ローンの関係についても留意しておきましょう。
銀行が住宅購入資金を融資する住宅ローンでは、仮審査・本審査で借入者の年収や勤続年数、ローン履歴等をチェックし、審査が通って初めて融資が実行されます。新規に住宅ローンを組む場合はもちろん、借り換えの場合も新規と同様の審査が行なわれます。
ところが、転職・退職で借入者の信用情報が変わると、そのことが審査結果に影響し、融資が実行されない場合があります。
そこで、住宅購入や住宅ローンの借り換えを検討している方は、転職と住宅ローン、どちらを優先させるかの選択が必要になります。
通常、一度融資が実行されたあとは、計画通り返済している限り、転職によるペナルティ(ローンの一括返済を求められる等)が発生することはありません。そのため、転職よりも住宅の購入を優先させたい場合は、本審査に通って融資が実行されるまでは転職を控えたほうが良いでしょう。
反対に、まず転職を優先させたいようであれば、すぐの住宅購入は見合わせ、審査に通りやすい時期を見計らって住宅ローンを申請するほうが有利です。
なお、今現在、住宅ローンを組んでいる方は、転職がローン返済に影響を与えることがないかどうかを、必ずシミュレーションしましょう。年収の変動もさることながら、たとえば転職先が年俸制で、ボーナス制度がない場合などは、住宅ローンをボーナス返済で設定していると、家計内での調整が必要になります。