産後の再就職 -壁を乗り越え、正社員になるための3つの方法

産後の再就職・メインイメージ

「前職は産後働き続けることができる職場ではなかったので、退職したが、ママの職場復帰に理解がある職場でもう一度正社員として働きたい」「子どもの学費や生活費のために、働く必要が出てきた」など、様々な事情から出産後に再就職を考える女性は、少なくありません。

ただ、どんなにキャリアがある女性でも、産後の再就職は決して簡単ではありません。特にブランクが長くなればなるほど再就職へのハードルは高くなり、思ったように就職活動が進まないというケースも。企業側としても産後の女性を採用するのはハードルが高いため、この壁を乗り越えられなければ、再就職は困難です(※企業の採用担当者の多くは、子どもが病気になった場合等、本当に勤務を継続できるのかを危惧しています)。

そこで今回は、産後の再就職について注目。正社員になる前にチェックしておきたいポイントや、正社員になるための3つの方法について、わかりやすく解説します。

出産後に再就職したいと考えている方や、子どもが落ち着いたら正社員として社会へ復帰したいと思っている方は、本特集を参考に、自分に合った方法を見つけ、産後の再就職の壁を突破しましょう!

正社員を目指して就職活動をする前に 産後の再就職

産後の再就職、正社員になれる?

産後は子ども中心の生活になるため、残業や出張が難しくなり、子どもが病気になった場合の看病や、幼稚園(小学校)のイベントに参加するために仕事を休むことも珍しくありません。産後の再就職を考える際、「子どもがいる状態で、本当に正社員として採用してもらえるのか?」という不安を持つものです。

2015年に国立社会保障・人口問題研究所が、約5,300組の夫婦を対象に行った調査「第15回出生動向基本調査」によると、産後の就業率は1992年から一貫して上昇。さらに、産後も正社員として働いている人の割合も増加しています。
つまり、産後も正社員として働くことができる企業は、確実に増えているのです。

産後の再就職に不安を持つのは当然です。また簡単に決まるようなものではないことも事実です。その一方で以前と比較すると、産後の女性も正社員として活躍しており、諦めなければ再就職先は見つかる可能性は十分あります。
再就職を目指す方は、焦らず、慌てず、粘り強く就職先を探しましょう!

参考:国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(PDF)

正社員を目指す理由と心構え

産後に正社員を目指す場合、なぜ”正社員”なのか?という点を明確にしておくことが大切です
産後に正社員として働くことは、決して簡単ではありません。だからこそ目的意識をはっきりさせ、家族やパートナーと理由を共有しておくことで、就職後万一問題が起きたときにも、その問題に向き合うことができるはず。

また、産後の再就職に成功し、正社員として社会に戻れたとしても、むしろそこからのほうが大変です。子どもの病気や育児疲れからくる体調不良、家族内での病気の感染など、様々な理由で新しい職場に迷惑をかけることがあるでしょう。それ自体は仕方がないことであり、産後に職場復帰した方の誰もが通る道です。大切なのは、問題が起こった際の仕事への取り組み方や周りへの感謝です。産後だからこそ、どうやって効率よく仕事をこなすか考え、取り組み方に自分なりに工夫をし、問題が起こった場合でも、自分の出来る範囲で全力を尽くす事。その上で周りのサポートを受けた場合は、感謝する気持ちを忘れないようにしましょう。正社員になったものの、家庭とのバランスが上手くいかず、すぐに辞めてしまった…となるとその後のキャリアにも響きます。できる限りそういう事態に陥いることがないよう、しっかり心構えをした上で、仕事に復帰しましょう。

正社員として再就職するメリット・デメリット

産後に正社員を目指す場合、正社員のメリットとデメリットの両方を把握しておくのも大切です

正社員になるメリットは、高い給与と安定した地位が挙げられます。約4万人を対象に実施した、厚生労働省の「平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」によると、平成26年9月に支払われた正社員の給与は、20万円~30万円未満が最も多く33.7%、次いで30万円~40万円未満が26.8%です。一方、正社員以外の雇用の場合、最も多いのが20万円未満の78.2%、次いで20万円~30万円未満が12.9%となっており、正社員と非正規の雇用で、給与に大きく差が出ていることがわかります。

参考:厚生労働省「平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」

また、その他にも正社員になるメリットとして、様々な福利厚生が受けられること、各種社会保険の適用を受けることができる点なども挙げられます。さらに社会的な信用が高く、長く安定的に働ける点、仕事にやりがいを見つけやすい点も、正社員になるメリットと言えるでしょう。

一方で、正社員になると勤務時間や勤務日数が固定され、子どもの行事や都合に合わせて仕事の予定を調整することが困難に。また、職種や採用形態によっても異なりますが、転勤や出張の可能性がある点も、注意しておきましょう。

正社員として再就職するメリット・デメリット

メリット
派遣やパートと比較して給与が高く、安定している
各種保険が適用される
社会的な信用が高い
やりがいがある など
デメリット
勤務時間や勤務日数が固定される
出張や転勤の可能性がある
仕事に責任が伴う
長期の休みがとりにくい など

産後の再就職で正社員になる3つの方法 産後の再就職

キャリアアップできる転職、できない転職・イメージ

産後に正社員として採用される方法は、1つではありません。今回ご紹介する3つの方法を参考に、自分に合った方法で正社員を目指しましょう。

正社員になる方法 その1
これまでのキャリアを活かし、採用当初から正社員を目指す

前職でしっかりキャリアを積み、ブランクがあまり空いていない場合は、産後の再就職で、正社員として採用される確率が高くなります。採用当初から正社員になった場合、離職前と変わらない給与が期待できることから、家計が安定する点が大きなメリット。また、仕事の勘を早く取り戻すことができ、やりがいのある仕事を任されるチャンスが多い点も、大きな魅力です。
ただし、例え離職前にしっかりキャリアを積んでいる場合でも正社員での採用を目指す場合、派遣やパートと比較すると採用されにくく、就職活動が長期化するケースも少なくありません。また責任の重い正社員として職場復帰することで、家庭と仕事のバランスに慣れるまで、大変だと感じることが多い点には注意しましょう。

産後の再就職に強い転職支援サービス

転職サイト大手のdodaが運営する、女性向けのエージェントサービス。求人を自分で検索し、応募できる転職サイトとしてのサービスと、転職サポートのプロであるキャリアアドバイザーと相談しながら、自分に合った求人を見つけられる転職エージェントとしてのサービスを、ワンブランドで提供している。またdodaウーマンキャリアは、女性向けの求人に特化しており、フレックス勤務や育児支援制度、残業20時間未満など、様々な条件で求人を検索できる。doda全体では正社員求人を約10万件取り扱っており、求人数は数ある転職支援サービスの中でもトップクラス。産後の再就職で、正社員として採用されることを希望する場合、必ずチェックしておきたい。

パソナが運営する、女性の転職支援に強みがある転職エージェントのサービス。パソナキャリアは、キャリアアドバイザーのサポート力に定評があり、高い評価を獲得。これまでに転職をサポートした求職者の数は約25万人と豊富な実績を有している。またパソナキャリアでは、応募書類の添削はもちろん、産後の職場復帰を目指す女性のキャリアプランの相談など、手厚いサポートを提供。また、パソナキャリアで取り扱う約8万件の求人の中から、時短勤務ができる求人や、ワークライフバランスがかなう求人など、条件に見合ったものを厳選して紹介してもらうことができる。効率よく再就職に取り組み、正社員を目指したいと考えている女性にとって、パソナキャリアは積極的に利用したい転職サービスの1つ。

正社員になる方法 その2
紹介予定派遣から正社員を目指す

紹介予定派遣とは、一定期間派遣社員として業務に従事したのち、派遣先の企業と労働者本人の合意の上で、直接契約に切り替える制度のこと。実際に職場で仕事に従事したあと、社員になるかどうかを選択できるため、雇用のミスマッチが起きにくい仕組みと言えます。また、派遣の間は時間や勤務日数を自由に決めることができるので、仕事と家庭とのバランスを考えつつ働くことができます
ただし紹介予定派遣は、派遣会社から紹介された企業しか選択肢として選べない点、直接契約に切り替えるタイミングで正社員ではなく契約社員としての契約を提示されるケースがある点には注意が必要です。紹介予定派遣から正社員になるためには、派遣社員として働いている間に、業務を遂行する能力の高さや熱意をしっかりとアピールし、就業先の企業に正社員として採用したいと思わせるだけの活躍をする必要があると言えるでしょう。

紹介予定派遣の求人を豊富に取り扱う就職サイト

世界トップクラスの規模と実績を誇る派遣会社。アデコは一般派遣はもちろん、紹介予定派遣の求人を多数取り扱っており、2018年6月現在、約2,000件の求人を有している。またアデコに登録することで、提携する保育サービスの割引や、専門家へ育児に関する相談ができる「アデコ クラブオフ」なども利用可能。その他にも、規定を満たせば社会保険や有休休暇なども利用できる。紹介予定派遣を利用し、正社員を目指す場合、アデコは有力な選択肢の一つだろう。

40年以上の歴史を持つ、老舗の派遣会社。テンプスタッフでは、大手企業から急成長しているスタートアップ企業、隠れた優良企業まで、幅広い求人を取り扱う。紹介予定派遣の求人も多数取り扱っており、2018年6月現在、その数は約2,700件と他の派遣会社と比較しても充実。テンプスタッフへ来社予約することで、キャリアアドバイザーに出産後のキャリアや、紹介が受けられる求人について相談することもできるので、上手く活用すると良いだろう。また派遣スタッフに対して、経理や語学などのスキルアップ支援も積極的に行っているので、派遣スタッフとして仕事に従事しつつ、様々なスキルを身につけることができる点も嬉しい。
派遣として働きながらスキルアップもしたい方、紹介予定派遣として働き、正社員を目指したい方であれば、登録しておくべき派遣会社だろう。

正社員になる方法 その3
パート・アルバイトから正社員を目指す

産後の再就職で正社員を目指す場合、正社員登用制度があるパートやアルバイトの仕事からスタートするのも、選択肢の一つです。正社員登用制度があるパート・アルバイトは、勤続年数や就業後の業務の成果に応じて、正社員に職種転換する機会が与えられます。職場によっては、職種転換の際に面接や筆記試験が課せられるケースもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。また、アルバイト・パートから正社員を目指す場合、事前に職場の雰囲気や仕事内容を把握できるので、正社員になった後のミスマッチは起こりにくい傾向があります。
ただし、正社員登用制度がある職場でも、誰もが正社員になれるわけではない点には注意しましょう。また正社員に職種転換する前はパート・アルバイトとして、仕事に従事することになるため、給与が安く、雇用が不安定という点はデメリットと言えます。職場によっては、正社員登用制度はあるものの、これまでにパート・アルバイトを正社員に登用した実績がないケースも考えらえるので、面接の時点で正社員登用制度で職種転換したアルバイト・パートの有無についても聞いておくと良いでしょう。

パート・アルバイトの求人を豊富に取り扱う転職サイト

正社員登用ありの求人を取り扱う求人サイト。取り扱う求人は4万件以上と数ある求人サイトの中でもトップクラス。バイトルNEXTは、正社員登用制度がある求人に特化しており、勤務地、職種などから自分に合ったものを絞り込むことができる。働き方の自由度が高いパート・アルバイトからスタートし、正社員を目指したいと考えている方にとって、バイトルNEXTは、利用する価値のある求人サイトだろう。

まとめ 産後の再就職

産後の再就職特集はいかがでしたか?

産後に正社員として社会へ復帰するのは決して簡単ではありませんが、諦めなければ道は必ず開けます。

大切なのは家事と仕事の両方を一人で背負わないこと。正社員として職場に復帰する場合、家事や育児の分担や、子どもが病気になった場合のサポートなど、問題が起こった際、どう向き合うかを家族とよく話し合っておきましょう。

産後の再就職はむしろ、就職してからのほうが大変です。長く働き続けるためにも、自分に合った働きやすい職場を見つけ、新たなキャリアをスタートしましょう。

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