不況時の転職 転職活動への取り組み方と求職者がやっておくべき3つのこと

不況時の転職活動はどう取り組む?業界選びのポイントや転職を成功させるポイントを解説・メインイメージ

新型コロナによる景気後退で不況はほぼ確実に。転職活動への影響は? 不況時の転職

新型コロナウイルスが世界中で感染のイメージ

2020年3月現在、新型コロナウイルスの感染が世界中で急拡大しています。
世界的に蔓延するコロナウイルスは、世界中の経済を麻痺させており、多くの業界が大きな打撃を受けています。これは日本経済も例外ではありません。昨年度も消費増税でGDPが大きく落ち込みましたが、2020年度の1~3月期もGDPの大きな落ち込みはほぼ確実です。2期連続でGDPが落ち込んだ場合、景気後退というのが経済の定義。そしてこの景気後退局面で、最も大きな影響を受けるものの1つが転職市場です

新型コロナウイルスへの感染防止のため中途採用を一時停止する企業も

2020年2月には、グローバル人材に特化した人材派遣会社の「エンワールド・ジャパン株式会社」が、「新型コロナウイルスの感染対策」について企業の人事・採用担当者554名にアンケートを行っています。
この調査結果によると、中途採用において新型コロナウイルスの対策を実施している企業は3割弱。感染対策の内容として「中途採用を一時停止」している企業は、外資系で22%、日系企業で5%となっています。
(参考:エンワールド

上記のアンケートは2月20日から22日の間に行われており、現在(2020年3月30日時点)はさらに状況が悪化しているはずです。またこれはあくまで感染防止のための採用停止。実際にの転職市場では、新型コロナウイルスによる事業の影響を受けた、採用停止も加わります。
つまり、現在はこの数値より企業の採用意欲が大幅に落ちていると考えるべきでしょう。

不況時も一部のベンチャー企業や中小企業は中途採用を積極化

その一方で不況の到来を好機ととらえている企業が一部いるという調査結果も
転職サイト大手の「エン・ジャパン」が運営する、ミドル世代のための転職サイト『ミドルの転職』が実施した転職コンサルタントアンケートでは、新型コロナウイルスの影響が本格化した2020年3月以降も、約85%の転職コンサルタントが「半数以上の企業が採用を継続している」と回答。
不況の到来を好機と捉え採用を強化している企業タイプは「ベンチャー企業」「中堅中小企業」、職種は「技術系(IT・web)」「営業系」との調査結果が出ています。
(参考:エン・ジャパン

この調査は2020年3月17日から22日に実施されていることから、前述したエンワールドのものよりも最新のデータということになります。

今回のケースに限らず、不況時の転職活動でよく指摘されるのは、転職前と転職後の企業規模の変化です。一般的に不況は大企業に重くのしかかり、中小企業の中には、不況時にチャンスを掴み成長する企業が出てくるでしょう。今回の不況でも、大手企業が採用を絞る中、これまで大手企業との競争でよい人材を採りにくかった一部の中小企業やベンチャー企業が、活発な求人を行うことが予想されます

ちなみにリーマンショックの際も、大企業が求人を大幅に絞る中、一部のベンチャー企業や中堅中小企業は積極的な採用を行っていました。
不況が来ると多くの企業が採用活動を縮小する傾向がありますが、元気のあるベンチャー企業や中堅・中小企業は必ずあります。つまりこれらの企業へ転職する機会は今回の不況でも確実に残されています。

不況時の転職は業界選びが重要なポイントに。不況に強い業界とは? 不況時の転職

IT企業イメージ

不況時に転職を目指す場合、業界選びがより重要になります。転職の成功率をあげ、長く働き続けることを目指すのであれば、不況に強い業界を目指すのがおすすめです。

それでは、不況に強い業界はどのような業界なのでしょうか?以下は不況に強い3つの業界です。自分自身が全く畑違いの業界にいる場合でも、職種が同じなら転職できる可能性は充分あります

不況時の転職におすすめの業界
その1:インフラ業界

過去の不況を振り返ると、不況をいち早く抜け出すのは、公的資金の投入で活気づく素材・プラント・重電などのインフラ関連企業です。
公共投資により、大規模なインフラ整備が行われることが予想されるため、素材、鉄鋼、船舶、工作機、プラント、重電などの企業群は、他の企業に先んじて回復することが予想されます。現在の業界の景気が著しく落ち込み、将来に渡って期待が持てないという場合は、インフラ業界への転職を目指すのも選択肢の一つです。

不況時の転職におすすめの業界
その2:IT業界

新型コロナウイルスの感染拡大によるリモートワークの増加に伴い、リモートワークのシステムを開発・提供するITエンジニアの需要も拡大しています。
また開発エンジニアだけでなく、社内にリモートワークの仕組み(社内システム)を導入するSIerや社内エンジニアの需要も大幅に増加
ITは、もはや社内に必要不可欠なサービスであり、IT業界は不況に強い業種の1つと言って良いでしょう。

不況時の転職におすすめの業界
その3:介護業界

不況に強いどころか、そもそも不況が関係ないと言われる業界も実はあります。それが超高齢化社会の到来と共に需要が増え続ける介護業界です。
介護業界は、慢性的な人材不足の問題を抱えており、異業種転職はもちろん、一般的には転職が難しくなる40代、50代の採用にも積極的です。超高齢化社会である現代において、今後需要がさらに拡大していくことは間違いありません。
また最近では、労働環境の改善がすすんでおり、ブラックではない職場も増えつつあります。業種・業界を問わず、正社員としては働ける場所を探しているのであれば、介護業界は選択肢の1つです。

今回の不況時は通販業界、物流業界にも注目が集まっている

また、今回の新型コロナ不況は、外出が制限されていることもあり、通販業界、物流業界の需要が急拡大。これらの業界も人材採用を積極化しています。今回の不況下において転職を検討している場合は、チェックしておくべき業界と言えるでしょう。

不況時の転職 求職者がやっておくべき3つのこと 不況時の転職

デスク上のパソコンやノートのイメージ

不況時の転職では、多くの企業が即戦力であることを重視し、未経験者の採用やポテンシャル採用を手控える傾向があります。求人の総数も通常時と比べると、大幅に減少するため、不況時の転職では、徹底した情報収集と綿密な転職準備が重要
以下に、不況時の転職を成功させるために求職者がやっておくべき3つのポイントをまとめました。転職を検討している求職者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

不況時の転職 求職者がやっておくべき3つのこと
その1:自己分析・スキルの棚卸しを徹底的に

不況時の転職を成功させる人の最大の特徴は、自己分析の掘り下げがしっかりできているかどうかという点。自分を客観視し、深く掘り下げて分析することができていれば、強みやスキルを具体的に把握でき、転職理由や将来のビジョンが明確になります。
それが明確になっていれば、志望動機とキャリアプランにも一貫性と説得力を持たせることができるはずです。
また、スキルの棚卸しを徹底的におこなうことで、前職と同じ業界はもちろん、異業種に転職する場合の転職の成功率もアップします。経験職種で得た専門スキルや専門知識を活かし、即戦力として働ける職種・企業に転職できれば、たとえ目先の年収がダウンしたとしても、すぐに取返し、さらなる年収アップも狙えるはずです。

不況時の転職 求職者がやっておくべき3つのこと
その2:企業分析にはしっかり時間をかける

不況時の転職では、転職先の企業に強い不満を感じたとしても、再度転職するのは容易ではありません。そのため、転職先の企業選びは非常に重要です。
公式サイトの情報はもちろん、転職エージェントのキャリアドバイザーを活用し、社風が本当に合っているのか、長く働き続けることができる職場なのか?等、企業情報を最大限入手すること大切です。企業分析にはしっかりと時間をかけ、綿密に調査するとともに、自己分析の結果とも照らし合わせ、自分に合った企業を選びましょう。

不況時の転職 求職者がやっておくべき3つのこと
その3:Web面接に備え、シミュレーションしておく

パソコン・スマホ・タブレットのイメージ

採用面接時の感染対策として、Web面接を行う企業が増加しています。前述した「エンワールド・ジャパン株式会社」による「新型コロナウイルスの感染対策」の結果を見ると、中途社員の採用活動で実施している感染対策の1位は採用面接・面談のオンライン化となっており、実に約6割の企業が面接をオンラインに切り替えています。つまり、これからの転職活動は、オンライン対応が求められるということ。
Web面接では「ZOOM(ズーム)」や「HARUTAKA(ハルタカ)」といった、最新の通話ツールを利用する場合が増えており、これらのツールに慣れておくことが非常に重要です。
「面接時に初めて使う」というのでははっきり言って準備不足。Web面接当日にシステムトラブルや利用方法がわからず、面接が滞ってしまったということがないように準備しておきましょう。 準備不足と判断されると、転職意欲、姿勢に問題があると評価されることも当然あります

Web面接の経験がない方は、事前に使い方をリサーチし、知人と練習しておきましょう。通常時の転職面接対策と同じく、事前準備や練習は、Web面接でも極めて重要です。
また、Web面接は対面での面接と比較すると、通過率が低いというデータも。不況により、採用基準が引き締められている可能性もありますが、Web面接によるミスコミュニケーションも要因の一つ。ZOOMなどの新しいWeb面接ツールは、発話している人の顔に自動フォーカスする機能があり、表情や話し方などが対面の時よりもさらに浮き彫りになります。
通常とは異なる環境だったとしても、自信をもって臨むことができれば、良い結果が得られるはずです。場慣れや徹底したシミュレーションは心がけ、Web面接を突破しましょう!

不況時の転職 登録しておきたい転職エージェント 不況時の転職

転職エージェントのイメージ

以下では、不況時の転職活動に強い、おすすめの転職支援サービスをまとめました。全ての求職者におすすめできる転職エージェントや、不況に強いIT業界、介護業界に特化した転職支援サービスについても厳選し、紹介しています。また、一定の役職がある方におすすめのハイキャリア向け転職支援サービスの情報も。
不況時に転職を効率的に進めるためにも、転職支援サービスをチェックし、自分にあったものを選んで活用しましょう!

全ての求職者におすすめできるNo.1転職エージェント

求人数 約33万9,256件以上(内、非公開求人:約16万9,687件以上)
※2020年3月
リクルートエージェントの強み
  • 転職支援に実績を持つベテランのキャリアアドバイザーが在籍
  • 求人数、転職実績ともにトップクラス

リクルートエージェントは、圧倒的な規模と実績を誇る業界最大手の転職エージェント。数ある転職エージェントの中でも、他を圧倒する求人数を保有しており、ほぼすべての業種・職種の求人をカバー。第二新卒の転職から、40代・50代の中高年の転職にも幅広く対応し、豊富な実績を有している。
また、リクルートエージェントでは転職活動をサポートするキャリアアドバイザーの質の高さにも定評があり、経験豊富なキャリアアドバイザーが多数在籍。業界ごとに特化し、高い専門知識を持ったキャリアアドバイザーから質の高いサポートを受けることができる。
不況時の転職を考えている方にとって、リクルートエージェントは、まず登録しておくべき転職エージェントであることは間違いない。

不況に強いIT業界の転職支援に圧倒的な強み

求人数 公開求人:約7,266件他、非公開求人多数
※2020年3月
レバテックキャリアの強み
  • 登録から内定獲得まで最短9日というスピーディーな対応を実現
  • 求人企業に足を運び、細かなリサーチを実施。企業風土や細やかな業務内容など開発現場の実態がわかる

レバテックキャリアは、「レバレジーズ」が運営するIT・Web業界の転職に特化した転職エージェント。取り扱う求人は原則としてIT業界、Web業界の求人のみ、取り扱う求人は大手企業からベンチャー企業まで7,000件以上。都市部を中心に、様々な企業と強いコネクションを持ち、非公開求人を含めると、IT・Web分野ではトップクラスの求人数を誇っている。
またスピーディな転職支援にも定評があり、登録から内定獲得まで最短9日という実績も。できるだけ早く転職を実現したいと考えているITエンジニアにとって、スピード感を持って転職支援に取り組んでくれる点は、大きな魅力と言えるだろう。
さらに、レバテックキャリアは、開発現場の情報収集に力を入れており、企業風土や細やかな業務内容など、Web上だけでは知りえない情報を得ることが可能。IT業界での転職を考えている場合はぜひチェックしておきたい。

レバテックキャリアのおすすめポイント

レバテックキャリア経由で転職すると、オンラインプログラミング学習サービス「progate」の全68レッスンを半年間無料で受け放題

40代、50代もOK。不況に強い介護業界への転職を目指すなら

求人数 公開求人:約5万1,020件他、非公開求人多数 
※2020年3月
マイナビ介護職の強み
  • 求人の質の高さに強み。定着率の低い医療機関、施設の求人は原則として紹介対象から除外。
  • 優良な転職サイトとして「職業紹介優良事業者認定」「プライバシーマーク」を取得済み

株式会社マイナビが運営する、介護と福祉の仕事に特化した転職サイト
マイナビ介護職は、首都圏、中部圏、関西圏を中心に3万7,028件を上回る求人を取り扱っており(2020年3月現在)、介護職・ヘルパー、ケアマネージャーはもちろん、生活相談員、看護助手など介護と福祉に関連する様々な職種の求人が充実。所持している資格による求人の絞り込みに加え、介護未経験OKの求人だけ絞り込むこともできるので、希望の条件を満たす求人を見つけやすい。
また、求人の質の高さにも強みがあり、定着率の低い医療機関、施設の求人は原則として紹介対象から除外。さらに転職を支援するキャリアアドバイザーのサポート力も高い評価を獲得している。現在介護の仕事に就いている方はもちろん、介護職未経験の方も、積極的に利用したい転職支援サービスと言えるだろう。

介護・福祉業界の転職に役立つ資格

介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
介護の基礎知識の習得を証明する資格。介護業界で働く場合、まずはじめに取っておくべき資格。年齢制限はなく、誰でも資格取得のための研修に参加できる。
未経験でもチャレンジできる資格で、訪問介護員や特別養護老人ホーム、障がい者施設などへ転職可能。業界未経験で転職する場合、取得するのも良いだろう。

一定の役職がある人材はヘッドハンターを活用すべき

求人数 公開求人:約5万9,570件(2020年3月現在)他、非公開求人多数
キャリアカ―バーの強み
  • 国内最大級のヘッドハンターネットワーク
  • 取扱い求人は全て年収600万円以上

リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)は、リクルートが運営するハイクラス専門の転職支援サービス。
リクルートダイレクトスカウトが取り扱うのは、原則年収600万円以上のハイクラス求人となっており、30代後半から40代、50代の利用者が多い。
リクルートダイレクトスカウトでは、求職者に求人や転職支援サービスを直接提供しておらず、リクルートダイレクトスカウトに登録したプロのヘッドハンターが求職者のプロフィールを見て、ヘッドハンティングを行っている。求人数は5万9,570件以上と、ハイクラス向けの転職支援サービスの中では最大規模。
また、他の転職支援サービスでは取り扱いのない重要ポジションの求人やマネジメント職、専門職の求人、秘匿性が高く、条件の良い求人が充実している。登録できる年収に一定の制限がある点には注意が必要だが、一定の役職を持ち、転職を検討している方は、チェックしておくべき転職支援サービスだろう。

まとめ 不況時の転職

不況時の転職について詳しく解説した今回の特集はいかがでしたか?
不況時は求人の総数が減少し、転職市場全体で言えば、厳しくなることは事実です。ただ、不況だからと言って転職できないかと言えば、そうではありません。不況時の転職を成功させるために大切なことは、当たり前のことをいつも以上にしっかりやることです。徹底した自己分析と企業選び、そして面接への準備をしっかり行えば、必ずチャンスはあります。

いつもとは異なる特殊な環境だからこそ、その変化に対応するための準備をしっかりと行うこと。それが転職の成功に繋がります。

現在、転職活動を行っている方や、転職に悩んでいる方は、本特集を参考に、不況を乗り越え、新たな一歩を踏み出しましょう!

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