中高年の転職が難しい理由
ネット上では、転職の35歳限界説は過去の物。今では40代の転職どころか、50代の転職も当たり前になりつつあるなど、景気の良い情報を見かけますが、これは当然ながら全ての人に当てはまる訳ではありません。
また様々な転職関連メディアが、転職が上手くいく中高年の人の特徴を解説していますが、逆に上手くいかない人(つまり転職が難しい人)にフォーカスした記事は少ないのが現状です。しかもそれが、転職市場の最前線で、中高年の転職支援を行っているコンサルタントの見解となると皆無といっても良いでしょう。
そんななか
参考:転職コンサルタントの本音 第54回「転職が難しい人」について
面談を行った中高年のうち、転職が難しい人の割合は?
まず最初は、面談を行った中高年のうち、コンサルタントが、転職が難しいと感じた人の割合です。以下にその結果をまとめました。
面談を行った人の中で「転職が難しい」と思う方の割合 | |
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1割未満 | 4% |
4割 | 11% |
5割以上 | 12% |
1割 | 13% |
2割 | 24% |
3割 | 36% |
この結果を見ると、コンサルタントの回答で最もボリュームが多かったのは3割。次は2割、1割の順でした。ただ3割、4割、5割以上を合計すると59%と約6割に達しています。このデータを見る限り、中高年の転職が容易になっているとはとても言えないのではないでしょうか?
転職が難しいと思う理由トップ3は?
それでは次にコンサルタントが、相談を受けた中高年の転職が難しいと思った理由をご紹介します。転職を検討している中高年の方は、この理由に自分が該当しないよう、注意することが大切です。
転職が難しいと思う理由(複数回答可) | ||
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1位 | 本人の希望と転職市場での市場価値にギャップがある | 72% |
2位 | 転職回数が多い | 64% |
3位 | 人柄が転職に向かない | 40% |
4位 | 現職企業での就業期間が短い | 38% |
5位 | 転職によって実現したいことが不明確(なんとなく今よりよい会社など) | 35% |
6位 | 転職理由がネガティブである | 32% |
7位 | キャリアプランが描けていない | 19% |
8位 | 現職において活躍していない | 13% |
9位 | 大企業・安定企業に勤めている | 11% |
10位 | 転職が自分の意志ではない | 3% |
この結果を見ると、1位の本人の希望と転職市場での市場価値にギャップがあると、2位の転職回数が多いが過半数を超えており、多くのコンサルタントが中高年の転職が難しい理由になっていると回答しています。
2位はこれまでの自分自身が歩いてきた人生の結果ですので、変えようがありませんが、1位の市場価値とのギャップに関しては、コンサルタントの話しをしっかり聞き、自分の意識を変えることで対応できます。
それでもこれが1位になっているということは、中高年は転職の際、頭が固く、コンサルタントの意見を聞く耳を持たない人が多いとも言えるでしょう。
転職を成功させたいと思うのであれば、コンサルタントの話を聞き、自身の市場価値を受け入れられるかどうかがキーポイントになりそうです。
ちなみに本アンケートでは1位と2位の結果について少し掘り下げた質問をしています。1つ目は本人の希望と転職市場での市場価値のギャップを感じる原因、もう一つは転職回数が多いと感じる回数についてです。以下にその結果をまとめました。
- どのようなギャップが発生していることが多いか(複数回答可)
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1位 希望年収と相場年収のギャップ 79%
2位 職種・業種転換を希望されているケース 38%
3位 希望のポジション(役職)と相場とのギャップ 34%
- 何回以上から転職回数が多いと感じますか?(複数回答可)
-
1位 4回(5社経験) 46%
2位 3回(4社経験) 28%
3位 5回(6社経験) 23%
この結果からわかることは、転職回数が多ければ多いほどやはり転職は不利になるということ、また中高年の転職は高い年収を希望すると難しくなるということでしょう。(※また当たり前ですが、20代ではないのですから、異業種転職や職種転換は本来論外です。)
まとめ
今回の転職相談のニュースは、中高年の転職が難しい理由にフォーカスし、ミドルの転職の調査結果を詳しく分析しました。
もっと詳しい結果を知りたいという方は、調査結果の詳細をチェックしてみてください。
転職を検討している中高年の方は、自分自身が「転職が難しい人」にならないよう意識し、転職活動に取り組むことができれば、転職の成功が近づくはずです。
常に謙虚に、周りの意見を取り入れつつ、転職活動に取り組みましょう!
参考サイト 中高年転職サイト比較